親が亡くなったらどうする?手続きと葬儀準備の完全ガイド

親が亡くなった時の葬儀と手続き

親との別れは誰もが避けては通れない人生の大きな出来事です。

しかし、いざその時が訪れると、悲しみに暮れる間もなく、さまざまな手続きや準備に追われることになります。

この記事では、親が亡くなった後に必要な手続きと葬儀の準備について、時系列に沿って詳しく解説していきます。

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もくじ

親が亡くなった直後にすべきこと

死亡確認と医師による死亡診断書の発行

まず最初に必要なのが、死亡の確認と死亡診断書の発行です。状況によって対応が異なりますので、以下のケースに分けて説明します。

病院で亡くなった場合

病院のスタッフが死亡確認を行い、担当医が死亡診断書を発行します。特別な手続きは必要ありません。

自宅で亡くなった場合

かかりつけ医に連絡し、死亡確認を依頼します。定期的な往診を受けていた場合は、死亡診断書の発行が可能です。

突然死の場合

警察に連絡する必要があります。検視の後、監察医が死体検案書を発行します。

死亡診断書(または死体検案書)は、その後の各種手続きに必要不可欠な書類となりますので、大切に保管しておきましょう。

死亡診断書は4,5枚コピーをしておくと役に立ちますよ。

遺体の搬送

遺体の搬送方法は、主に以下の2つから選択します。

自宅安置の場合

自宅で最期の時を過ごしたい場合や、親族が遠方から集まるまで時間が必要な場合に選択します。

メリットデメリット
じっくりとお別れの時間が取れる
親族が集まりやすい
夏場は腐敗が進みやすい
設備が整っていないため管理が大変

斎場への直接搬送

特に都市部では、この方法が一般的になっています。

メリットデメリット
専門的な設備で適切に管理される。

準備がスムーズに進められる。
費用が発生する

お別れの時間が限られる可能性がある

親族や親しい人への連絡

次に、親族や親しい方々への連絡を行います。一般的な連絡順序は以下の通りです。

  1. 配偶者・兄弟姉妹
  2. 子供(遠方に住んでいる場合)
  3. その他の親族
  4. 親しい友人・知人
  5. 勤務先(現役で仕事をしていた場合)

連絡する際は、簡潔に状況を説明し、葬儀の予定についておおまかな見通しを伝えましょう。

連絡が取れない場合は、他の親族に協力を依頼して連絡してもらいましょう。

葬儀までの流れ

葬儀の準備は、できるだけ早く始める必要があります。多くの場合、親が亡くなってから3〜4日以内に葬儀を執り行うことになります。以下、具体的な流れを説明していきます。

葬儀社との打ち合わせ

葬儀社との打ち合わせでは、以下の項目について決定します

葬儀の日程と場所

  • 参列者の予定を考慮
  • 火葬場の空き状況を確認
  • 会場のキャパシティーを検討

葬儀の形式を決める

  • 一般的な葬儀
  • 家族葬
  • 直葬 など、故人の遺志や家族の希望に応じて選択

予算の設定

一般的な葬儀の種類と予算です。

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葬儀の種類特徴費用目安メリットデメリット
一般葬通夜と告別式を行い、多くの人が参列する伝統的な葬儀。150~300万円故人と関係の深い多くの人が集まり、正式にお別れができる。参列者が多いため、準備が大変で費用が高くなることがある。
家族葬親族や親しい友人のみで行う小規模な葬儀。100~150万円プライバシーが守られ、落ち着いた雰囲気で故人を偲べる。参列できなかった人から後日弔問を受ける可能性がある。
一日葬通夜を省略し、告別式と火葬を1日で行う形式。80~150
万円
時間的負担が少なく、費用も抑えられる傾向がある。儀式にこだわる人が親族にいると揉めることがある。
直葬・火葬式通夜や告別式を行わず、火葬のみを行う非常にシンプルな形式。20~40
万円
費用が最も抑えられ、体力的な負担も軽減される。故人とのお別れの時間がほとんどないため、心の整理がつきにくい場合がある。
骨葬・後日葬先に火葬をして、骨壷や位牌を祭壇に祀る葬儀40~万円コロナ禍で葬儀ができなかった場合など落ち着いて葬儀ができる故人のお顔が見れないと参列者に伝えるほうが良い

葬儀社選びのポイント

  • 見積もりが明確で追加料金が少ない
  • 担当者の対応が丁寧
  • 緊急時のサポート体制が整っている
  • 地域での評判が良い

喪服の準備

男性の喪服

喪服の男性

喪主の正式な喪服は黒のモーニングコートですが、最近は準喪服のブラックスーツも一般的になりました。

女性の喪服

女性の喪服

喪主の女性の喪服も和装よりも洋装が増えてきました。

喪服の時の小物

喪服と一緒に準備したいのが、白いハンカチです。カラフルなハンカチやタオルハンカチは避けるのが無難です。数珠も用意しましょう。

寒い季節は、ダークカラーのコートを用意しましょう。

喪服は急いで買うと、高い金額で妥協して買うことになりかねません。小物もセットで借りられるので喪服のレンタルもおすすめです。

死亡届の提出

死亡届は法律で定められた重要な手続きです。

提出期限:死亡を知った日から7日以内
提出先:死亡地、届出人の所在地、または本籍地の市区町村役場

必要書類:

  • 死亡診断書(死体検案書)
  • 届出人の印鑑
  • 届出人の身分証明書

受付時間:

  • 平日:8:30〜17:15(市区町村により異なる)
  • 休日・夜間:当直窓口で対応

死亡届の提出は葬儀社に代行して手続きしてもらうことが多いです。死亡届の提出と同時に火葬許可証の申請も行い、火葬許可証が発行されます。

葬儀の準備

具体的な準備項目は以下の通りです。供花・供物の手配、返礼品の準備は葬儀社との打ち合わせで決めます。

遺影写真の準備

  • 遺影に適した写真の選定
  • 加工や修正の依頼
  • サイズや装飾の決定

年をとると一人で写っている写真が少なくなるそうです。
写真加工のスマイルというサービスは集合写真の背景を加工したり、顔のシワやシミを少なくする修正をすることもできます。

供花・供物の手配

  • 祭壇の装飾
  • 参列者からの供花の管理
  • 供物の種類と数量の決定

一般葬の場合は親戚や取引先などから供花がありますが、家族葬や1日葬の場合は供物が省かれることもあります。

返礼品の準備

  • 品目の選定
  • 数量の確認
  • 予算の設定

参列者への連絡

  • 案内状の作成と発送
  • 確認の電話
  • 交通手段の案内
  • 火葬場に同行する人数や交通手段の確認

規模が大きい一般葬では、訃報連絡や案内状がある場合もあります。家族葬など規模が小さい場合は作成しなくても大丈夫です。

葬儀・告別式

主な流れ

STEP
納棺

遺体を棺に納めます

STEP
通夜

夕方6時ごろから始まります。告別式に参加できない方が出席されます。弔問された方に通夜振る舞いでもてなします。

STEP
告別式

宗旨に沿った式が執り行われます。式の終了後、お花を故人に手向けてお別れをします。

お別れが終わったら、喪主が参列者にご挨拶をします。

STEP
出棺

喪主からの挨拶が終わったら、親族が棺を霊柩車へと出棺します。

STEP
火葬

火葬後、遺骨は骨壺に納められます。

STEP
精進落とし

精進落としは、火葬後または初七日の法要後に行われるものですが、地域や時間帯によって、火葬中に精進落としを行うこともあります。

度々親族が集まるのは難しいので、精進落としの時に初七日の法要を行うことが多いです。

宗教者への対応

  • お布施の準備(一般的な相場:3〜10万円)
  • 戒名の相談
  • 読経の時間調整

会葬者への対応

  • 受付の設置
  • 案内係の配置
  • 席次の確認
  • 記帳の準備

火葬・納骨

火葬場での手続き

  • 火葬許可証の提出
  • 火葬時間の確認
  • 待合室の手配

納骨に関する準備

  • 骨壺の選定
  • 納骨の日程調整
  • 墓地や納骨堂との連絡
  • 必要書類の確認

火葬から納骨までの流れ

  1. 火葬場到着
  2. 最後のお別れ
  3. 火葬(1〜2時間)
  4. 収骨
  5. 納骨又は一時保管

このように、葬儀までの準備には多くの作業が必要となります。葬儀社のサポートを受けながら、家族で協力して進めていくことが重要です。

葬儀後の手続き

葬儀が終わっても、まだ多くの手続きが残っています。落ち着いて一つずつ対応していきましょう。

香典返し

香典返しは、弔問に対する感謝の気持ちを表す大切な習慣です。

香典返しの基本

  • 時期:葬儀から10〜45日以内
  • 相場:香典の半額程度
  • 選び方:地域性や宗教観に配慮する

品物の種類

  • お菓子・食品
  • カタログギフト
  • タオル・石鹸などの日用品

香典返しは肉・魚など「四つ足生臭もの」は避けられています。お酒などの嗜好品、慶事に使われる鰹節・昆布も避けられています。

注意点

  • 会葬御礼と香典返しは別物
  • 遠方の方への配送料も考慮
  • 品物は新品で包装をきれいに
  • お送りする時期は統一する

年金、保険、相続などの手続き

期限のある重要な手続きから優先的に行います。

年金関連

手続き期限:14日以内
手続き窓口:年金事務所・区役所など

必要書類

  • 年金証書
  • 死亡診断書
  • 戸籍謄本
  • 印鑑

生命保険関連

  • 保険会社への連絡
  • 必要書類の確認
  • 受取人の確認 ・健康保険
  • 資格喪失届の提出
  • 保険証の返納

相続関連

相続開始の手続き:期限3ヶ月以内

  • 相続人の確定
  • 遺産の調査

・相続税の申告期限:相続開始から10ヶ月以内

  • 必要書類:
    ・戸籍謄本 ・遺産目録 ・評価証明書など

専門家への相談

税理士
  • 相続税の申告
  • 財産評価
弁護士
  • 遺産分割協議
  • トラブル対応

相続の手続きは、個人でもできますが、とても大変です。
亡くなった方の戸籍謄本を生まれた時から全部取り寄せたり、法定相続情報一覧図を作ったり、あちらこちらの役所や銀行窓口にいくことになります。
自宅にいながら相続手続ができる相続ナビというサービスもありますよ。

その他の手続き

日常生活に関連する手続きも忘れずに行います。

公共料金の名義変更・電気 ・ガス ・水道 ・固定電話
※それぞれの事業者に連絡
解約が必要なもの携帯電話 ・クレジットカード ・各種会員権 ・定期購読 ・自動車関連(免許証の返納、自動車の名義変更など)
不動産関連固定資産税の名義変更 ・賃貸契約の解約または名義変更 ・マンション管理組合への届出
金融機関関連預貯金口座の解約 ・キャッシュカードの返却 ・貸金庫の解約

高齢の方は、「グルコサミン」や「にんにく卵黄」など毎月定期購入していたりするので忘れずに解約しましょう。
携帯電話はインターネット関連のID・パスワードと紐づいていたりするので、すべての精算が終わってから解約するのがおすすめです。
銀行口座は銀行に死亡を申告するまで凍結されないので、急いで申告しないほうがいいですよ。

事前の準備で心にゆとりを

親との死別は、誰もが経験する避けられない出来事です。このような時期には、様々な感情と実務的な対応の両方に追われることになります。

事前準備のポイント

親の希望を聞いておく

  • 葬儀の形式
  • 戒名について
  • 遺品の処分方法

なかなか、自分の親にお葬式の話を聞きにくいですよね。
親が友人のお葬式に行った時に、「自分の時はどうしたい?」と聞いてみたり、エンディングノートを一緒に書いてみたり探ってみましょう

必要書類の確認と整理

  • 保険証書
  • 年金手帳
  • 預貯金通帳
  • 不動産権利証

母が認知症になり、母名義の銀行口座から介護費用を払うために大変でした。
元気なうちに、銀行のキャッシュカードや暗証番号を聞き出しておかなかったことを本当に後悔しました。

葬儀社の情報収集

  • 複数の見積もりを取る
  • サービス内容の比較
  • 口コミやレビューの確認

このような準備を整えておくことで、いざという時に落ち着いて対応することができます。また、親の希望に沿った送り方ができることは、残された家族の心の支えにもなります。

お葬式のことを考えるのは、縁起でもないと言われますが、いざという時に何も知らないと、後で悔やむことになるかもしれません。
お葬式のことがよくわかる資料や葬儀の料金プランをもらって、複数社を比較検討するのがおすすめです!

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